株式会社 エフ・ティ・エス コーポレーション 《新対向ターゲット式スパッタ装置 NFTS 専門真空メーカー》 ・・・【製品情報】

 

 新対向ターゲット式スパッタ「NFTS」装置は、お客様の使用目的、目的段階により基礎研究用、研究開発用、量産用をそれぞれ取り揃えております。また、大型プラズマ源の開発により、基礎研究用の小型装置から量産用の大型装置まで同じ原理を用いているため、一貫した成膜技術をお客様に提供することにより製品化にかかる時間の短縮にお役立ち致します。また、成膜する基板の種類、方法によりお客様のニーズに対応するため各種揃えております。

 NFTSでは、酸化物薄膜、窒化物薄膜等の反応性薄膜、化合物薄膜、金属薄膜、その他各種元素をプラズマ応用として固相から原子状の気相変換するプロセスでは、堆積させる界面との接合性を常に重要視した技術を創生する必要があります。このため、弊社ではNDAを尊守し、お客様のご要望にマッチしたプラズマ条件の制御技術を提供できるように個別の設計と作製、信頼性に優れた装置の高度化に注力しております。

以下に、各種NFTS装置の特徴と外観写真をそれぞれ示します。 

■ 基板回転式NFTS装置

基板回転式NFTS装置基板回転式NFTS装置は小型真空槽周囲に小型プラズマ源を多数実装することでin-situによる多層成膜の検討が可能。 また、真空容器内に複数の基板フォルダーを設置することにより1度の真空引きにより複数のサンプルを形成できる基礎研究に適した実験装置。

■ インライン式NFTS装置

インライン式NFTS装置インライン式NFTS装置は基板を搬送させながら成膜を行うことにより基板に均一な薄膜を形成できる装置。 基板搬送方向に複数のプラズマ源を設置することで、多層成膜が可能。 研究開発から生産装置まで幅広く対応が可能な装置。 

■ 基板静止式NFTS装置

基板静止式NFTS装置基板静止式NFTS装置は基板を静止した状態において、12インチまでの基板に対して均一な成膜が可能。 基板加熱機構を組み合わせることによりウェハ基板に対する低温結晶化の検討などに最適な装置。

■ ウェブ式NFTS装置

ウェブ式NFTS装置ウェブ式NFTS装置は成膜領域において冷却ドラムを必要とすることなく4~100μm厚のプラスチックなどのフィルム基板への薄膜形成に最適な成膜装置。 シンプルなフィルム搬送系により操作性・メンテナンス性に優れ、15cm幅の研究開発装置から1m幅を超える量産装置まで対応可能。


 スパッタ法による成膜技術において、基板がある真空槽とプラズマスパッタ源とを独立して構成することができれば、操作(作業)性・保全性を含めて自由度と応用性の高いシステムを構成することが出来ます。そのため、エフ・ティ・エス コーポレーションのNFTS装置ではプラズマ源を真空槽と分離することができる箱型プラズマ源を開発致しました。

 この箱型プラズマ源は従来の対向ターゲット式スパッタ(FTS)法と比較し磁場を形成する磁石をターゲット外縁部に配置するだけではなく、箱型プラズマ源の空間には電磁界を調整するためのスペースを真空槽とは分離、或いは連携して有効活用できる構造となっており、様々なターゲット材料、成膜目的において最適な電磁界を形成することが出来ます。さらに、箱型プラズマ源の構造は箱型の金属フレームにターゲットを外部からボルトで固定する方法を取ることで、ターゲット交換等の作業をより容易に行えるようになっています。

 また、プラズマ源においてターゲット材料を目的とする基板上だけに効率良く堆積することが理想的です。そのため、箱型プラズマ源ではプラズマを構成する6面のうち真空槽と接続する開口部を除く5面を全てターゲットとしたカソードを可能に出来る構造となっています(大型機のみ)さらに、箱型プラズマ源の開口部から飛散するスパッタ粒子を真空槽に設けた基板に効率良く堆積する機構の工夫は容易であり、また箱型空間でスパッタ面以外の空間にコンタミ集積機構を設けることで、作業性や安全性に優れたプラズマ源となっています。

 これらの特徴を有する箱型プラズマ源ですが、お客様のニーズにお答えするため各種基板サイズ、成膜方法に対応する箱型プラズマ源を開発致しました。以下に、各種プラズマ源の特徴と外観写真を記載致しますのでご覧ください。

■ 小型プラズマ源

材料開発など小型基板を用いた基礎研究に最適な小型タイプ。

■ 中型プラズマ源

研究開発からセミ生産段階における中型タイプ。

■ タンデム型プラズマ源

基板静止状態で8~12インチ基板に均一な成膜が可能。

■ 大型プラズマ源

分割ターゲットを組み合わせた大型基板対応タイプ。


  
 エフ・ティ・エス コーポレーションでは、NFTS装置の作製・販売において、お客様の満足を第一に考えお客様の要求提案に対して弊社の技術説明は基より、弊社内の実験装置によりお客様が満足頂けるまで有料とはなりますが、サンプルの作製を行い、 技術の見極めを実施します。

その際、双方の技術・権利を保護するためにも機密保持契約を結ばせて頂くことがあります。

 また、先端的で長期間を有する研究開発を必要とする場合、共同研究による成膜技術の検討を行いお客様が満足頂ける製品・技術の確立に協力致します。

 最後に、装置納品後お客様が安心して使用して頂けるようにメンテナンス、改良、トラブル等には即対応する体制を整えております。


 現在フレキシブル太陽電池、ディスプレーをはじめプラスチックフィルム上に機能性デバイスを形成する研究開発が盛んに行われるようになっています。 その主な理由として、耐熱性が高く、水蒸気透過率が低いなどの高性能な基板フィルムの開発が進んだこと、ロールtoロール技術を基本とするプラスチックフィルムの耐熱温度以下での薄膜形成技術が進んだことなどが考えられます。 ただし、ドライプロセスを用いたフィルム基板へのコーティング技術では、蒸着法、化学気相成長(CVD)法、スパッタリング法などが用いられていますが、技術的・コスト的な問題をそれぞれ抱えているのが現状です。

 蒸着法は比較的低温でフィルムへ薄膜をコーティングすることができますが、フィルム幅方向に対して均一な膜厚分布を形成することが難しく、薄膜材料の融点などの点から成膜できる薄膜の種類が限られてしまうなどの問題があります。 CVD法はフィルム上へ高品質な薄膜を形成することが可能ですが、プラズマを用いた方法(PECVD法)では成膜時フィルム温度が上昇するためフィルムの熱変形を防ぐため冷却ドラムが必要となり装置の複雑さ、大型化をもたらします。 また、薄膜材料であるガスは有害なものが多く、そのガスの処理装置や安全装置の影響により大変高価な設備となってしまいます。

 そのため、フィルム基板上への薄膜形成ではスパッタリング法が広く用いられています。 その理由として、フィルム幅方向に対して均一な膜厚分布を形成でき量産性があり、CVD法のように危険なガスを用いないため安全性が高いことなどが考えられます。

  ただし、蒸着やスパッタリング法を用いたウェブコーターでも問題が無い訳ではありません。従来の成膜技術では薄膜形成に必要なターゲットと基板であるフィルムが対向しているため、プラズマ中の高いエネルギー状態の電子やイオンが堆積状態の基板界面を衝撃することになりフィルム表面でのジュール熱で基板が熱変形温度以上まで上昇してしまいます。 そのため、図1(a)に示すように成膜領域においてフィルムを耐熱温度以下に保つため、冷却水を循環させた冷却ドラムに接触させることによりフィルムの耐熱温度以下に抑制する技術が必須です。 

 また、生産性を上げ多層膜形成のため複数のターゲットを用いる場合、大きな冷却ドラムの周辺にターゲットを配置することになり、フィルムの安定走行を調整するための多数のロール配置など装置構造が複雑になると共に大きな成膜室が必要とする結果、装置全体が大型化してしまいます。 また、真空状態において冷却ドラムにフィルムを接触させ熱伝導により基板温度上昇を抑制するために、冷却ドラムとフィルムの密着性が重要になり、且つ安定なフィルム搬送のために精密テンションコントロールやフィルム蛇行防止のためのロール配置の微調整といったメカトロの精密制御が必要となります。 そのため、図1(a)や(b)の写真に示すように大変複雑なフィルム搬送系を必要とします。更に、広幅のフィルム基板を使用する場合にはフィルムの着脱、ターゲットユニットの交換、真空槽のクリーニングといった運転や保守の信頼性を確保するためにロールやターゲット支持機構は片持ち支持構造を組合せる必要があります。このため大型装置は重量物であるロールやターゲットを精密配置しかつフィルム搬送でのロール平行度を維持する機械強度の保証のため図1の例の如く複雑になってしまいます。


(a) フィルム搬送系概略図 (1)              (b) フィルム搬送系装置写真 (2)

図1 マグネトロン式スパッタを用いたウェブ式コーティング装置


 以上で述べた理由により、マグネトロン式スパッタ法や蒸着を用いたウェブコーターは大型化・高生産性を実現するためには、装置価格は大変高くなってしまう傾向にあり、量産用装置として導入を検討する条件が制約されると考えられます。 最近、ランニングコストを抑制方法として、欧米を中心にターゲット構造を従来のプレーナー型から円筒形にし、ターゲットを回転させながらスパッタすることによりターゲット材料の利用効率を80~90%程度まで高めた技術が実用されています。 この円筒形ターゲットの利用によりラインニングコストを抑制することが出来ると考えられますが、図2に示すように装置構造の大型化・複雑化により装置価格自体は増加することとなり、設備の初期投資は増加してしまうものと思われます。

 現在製品の移り変わりが速く、他社との競争が激しい中、大型の初期投資を行い設備の耐用年数を踏まえ長期間同じ製品を作り続け利益を上げることは大変困難な状況にあります。 また、フィルム搬送系が精密であるため、製造する製品の変更による装置の改造等は大変難しいと考えられます。 このような設備の高額化は機能性フィルム製品の価格の増加をもたらすだけでなく、新たな製品を市場に投入するのに大きなリスクを伴うためユニークな製品の創出を阻害する懸念があります。

 フィルム基板上への各種薄膜形成、特に高機能性デバイス製品の開発や普及を進めるためには、低温基板の状態を維持したまま高速かつ信頼性に優れたウェブコーターを従来技術と発想を変えて実現することが必須であると考えています。



図2 円筒形ターゲットを用いたウェブ装置写真例(3)


≪参考文献≫

(1) M. Fahland et al, “Transparent Conductive Electrodes for Flexible Solar Cells” the Society of Vacuum Coaters, pp. 785-788, 2008.
(2) M.D. Poliks et al., “Toolset for Confronting the Challenges of Roll-to-Roll Production of Advanced Microelectronics and Displays,” the Society of Vacuum Coaters, pp. 766-771, 2008.
(3) P. Persoone et al., “Rotatable Magnetron Sputter Technology for Large Area Web Coaters,” the Society of Vacuum Coaters, pp. 789-794, 2008.

ウェブ式NFTS装置の特長


 弊社が開発した新対向ターゲット式スパッタ(NFTS)法によるウェブコーターは、フィルム基板の搬送には冷却ドラムを使用することなくフィルムの熱変形を生じさせない低温状態で薄膜形成を実現させた成膜技術です。 NFTSプラズマ源は、2枚のターゲットを向かい合わせた空間内に発生させるプラズマを拘束させることでプラズマ源の外側空間には高いエネルギー状態の電子やイオンを放出させない特長があります。 即ち、スパッタプラズマを対向ターゲット空間内に効率良く拘束することによりフィルム表面に生じるジュール熱の発生を抑制することが出来ます。 そのため、フィルム表面温度上昇の抑制はスパッタ粒子の凝着エネルギーとプラズマ源を構成する部材の発熱による輻射の対策をすること十分であることを見出しました。 この独自プラズマ拘束技術の開発により、搬送する基板フィルムの温度上昇を抑制することができ、成膜領域における冷却ドラムは必要としないため複雑かつ精密なフィルム搬送系も必要としません。

 図3には箱型プラズマ源を2式設置したNFTS式ウェブコーターの概略図を示します。 装置左右にフィルムロールを格納する真空槽があり、フィルムはテンションコントローラーを介し巻き出し、巻き取りロールを結びます。 そのフィルムロール間に箱型のプラズマ源を設置し、フィルムを搬送させながら薄膜をコーティングします(ロールtoロール)。 成膜領域には冷却ロールを必要としないため、フィルム搬送に必要な容積の小さな真空槽のみで済みます。 また、箱型プラズマ源は大気中からフィルム搬送容器の底板に着脱することができ、ターゲット交換作業等が容易に行うことができます。 フィルムの着脱は真空容器でありながら大気中の簡易フィルム搬送機構の場合と同様に簡単に作業できます。 また、真空容器の清掃や保守も極めて簡単にできる特長があります。

 さらに、NFTS式ウェブコーターでは箱型プラズマ源と成膜領域である真空槽をユニット化することにより図3(a)のプラズマ源2式から図3(b)の3式へフィルム搬送系をほとんど変更することなく、容易に増設することが可能です。 このことにより、お客様のビジネス状況に応じた装置構成へ変更が可能です。


(a) 2カソード型タイプ                        (b) 3カソード型タイプ

図3 大型ウェブ式NFTS装置 概略図

 このNFTS式ウェブコーターでは箱型プラズマ源内にスパッタプラズマを拘束することにより、低温成膜だけではなく、基板フィルムへの高エネルギー粒子の照射を抑制することができるため膜応力が小さく、マグネトロン式スパッタ法とは異なる緻密な薄膜を形成することができます。 また、NFTS技術では従来の対向ターゲット(FTS)技術とは異なる磁場構造により、ターゲット全体をスパッタすることで高いターゲット使用効率を実現すると共に、幅方向に±5%程度の均一な膜厚分布が可能です。

ウェブ式NFTS生産設備へのサポート体制


 弊社では、ウェブ式NFTS装置をお客様へ提供するだけではなく、お客様が検討している製品に対して、研究・開発段階から弊社内の実験装置を使用し確認することが可能です。 研究・開発段階からサポートすることで、製品化までの時間を短縮するだけではなく、弊社が提供する技術・設備に対して理解を深めて頂き、間違いない製品化へのプロセスを提供致します。